製造工程

【製造工程・品質管理】

何度も見て、触れて、確かめて。
ケミカルな網にいのちと使命を宿す

製造工程・品質管理

素材ごと、また使用される用途ごとに、それぞれの工程でかけるべきテンションの見極めをはじめ、日々変わる気候条件に合わせた処理温度の調整、そしてもちろん、1工程ごとに必要となる目視による検品。網作りには、経験を通じてのみ培われる職人の感覚や感性が必要です。市駒製網は職人の目と手を通じ、ケミカルな材料にいのちを吹き込み、人々の信頼に足る「網」としての使命を宿します。

撚り

撚り

仕上がりのしなやかさを予測しながら。

必要なものは編網機にかける前に糸を合わせて撚りをかけます。撚りの強さで仕上がりの網のしなやかさが変わるため、数値だけでない職人の勘が必要な工程です。常に触って、糸状態の撚り具合と網になった時の仕上がり具合とを手先に覚え込ませます。

管巻き

管巻き

同じテンション、
同じボリュームに揃える。

糸の巻き方にムラがあると、編網自体がうまくいっても網として完成した時にムラの原因となります。全てのボビン(管)に均質に糸が巻けていると、完成した網も均質な綺麗なものができます。

管替え

管替え

息を合わせて編網機に
ボビンをセット。

大きな網地を作るためにはたくさんのボビンを編網機にセットしなければなりません。すべりやすい原糸同士を手先の感覚を頼りに、シッカリと結んでつなぐ作業はスピードと熟練が求められる作業のうちの一つです。

編網

編網

美しい網ができるのは、
機械のメンテナンスが行き届いているからこそ。

糸を撚りながら網目を作っていく無結節編網機。綺麗な網を作るためにはメンテナンスが欠かせません。編網のたびに、機械が受けた負荷を丁寧に観察して油を注したり、部品を検品・交換したり、掃除したり、愛情を注ぎます。市駒製網では、一部の消耗部品を工場内で自前で供給するなどし、常に最良のパフォーマンスができる状態を保っています。

カット

カット

規格に沿って丁寧にカット。

編網機から出てきた網は規格の寸法で職人がカット。職人が目で見て丁寧にカットすることで、ほつれなどのない美しい仕上がりを実現します。

検品・手直し

検品・手直し

編網が済んだ網を検品。

仕上げの前にまず人の目でチェックし、糸が浮いていたり、切れていたりする部分にあらかじめ手を入れます。編網機の調子を見る意味でも重要なチェックポイント。わずかでも異変を感じたら機械の保守にフィードバックも欠かしません。手をかけ目をかけることで市駒製網が誇る丈夫で美しい網になるのです。

熱処理・採寸・微調整

熱処理・採寸・微調整

気候に合わせて
機械と対話する技術。

熱処理機は網を締めて目を揃える工程です。熱の掛け方で仕上がりが変わるため、日々変わる気温に合わせて機械の調整が必要です。熱処理のやり直しが無いように集中し、毎回揃った目を出せるよう努力しています。綺麗に揃った目を見るととても気持ちが良いです。

最終検品

最終検品

市駒製網として
出せる網かどうか。

一本一本の網脚の太さと、網の目の寸法などをさらに別の人の目で入念にチェック。
この最後の検品を経て、市駒製網の強く、美しい網がリリースされていきます。

梱包

梱包

優しく手で包んで、
手書きして、納品。

梱包に使われるのは「雑縄」と言われる、ロープ工場で半端に余った材料を柔らかく撚ったものです。SDGsなどが声高に言われる前からずっとあるもの。その時あるもので作られるから、色も取り取りでカラフルです。網を包むシートには、中に入っている網の規格を一つ一つ、丁寧に手書きしています。

マシンのメンテナンス

マシンのメンテナンス

機械は生きている。
だから機械の声を聞く。

市駒製網では毎日欠かさずマシンの点検・保守を行なっています。僅かな不具合を都度調整することで、大きな不具合の発生を未然に防ぐことができるのです。不具合の多くは、その動作音の変化にまず現れます。微細な変化を聞き逃さないのがプロ。熟練の担当は「機械の声が聞こえる」と言います。また、マシンにより性格がある、とも。機械が調子良く機嫌良く仕事をしてくれれば、そこで働くスタッフも機嫌良く仕事ができます。網を作ることとその機械を保守することは両輪と考えます。